【せな編vol.2】オナクラってどうすりゃいいの?

■会員カード

これまでソープとヘルスしか経験がなかったのに、らむちゃんの影響で初めてオナクラに行ってみることにした。いつも通ってる風俗街にある店なので場所は知っているし、多少フーゾクに慣れてきたつもりだけど、それでも初めてのジャンル、初めての店に挑戦する時はドキドキする。

(ま、でも30分で数千円だし失敗でもいいや、、)

店「いらっしゃいませ!お客様、当店は初めてですか?」
俺「あ、はい、、」(なんでバレた、、?
店「ではまず会員カードをお作りしますので、こちらご記入ください」
俺「あ、はい、、」(カキカキ

他の店でもポイントカードをもらった事はあるけど、”有効期間1年、5回目の利用で1000円引き”くらいで内容がしょっぱかった。短期間で何度も同じ店に通うつもりもないので、渡されたら受け取るだけ受け取って、すぐゴミ箱行き。

でもこの店はポイントカード兼会員カード。利用するには会員カードを提示しなければいけない。

(コレ、家庭持ちのオジサマ方はどうしてるんだろ?)

会員カードには店の名前も電話番号もガッツリ書いてある。スマホはロックできても財布はロックできないし。ヨメにチェックされても問題ないよう、会員カードは秘密の場所に保管してるんだろうな、、

■オプションどうしよ?

会員カードを作り終え、女の子を”フリー”でお願いすると、事前アンケートの記入。A4用紙1枚分ビッチリある。

(何をこんなに書かせることあるんだろ、、?)

なるほど、500円以上の有料オプションを一つでも付ければ入会金の2000円はタダになるうまいシステム。これなら入会金を馬鹿正直に払うやつはいないでしょ。100人中100人がオプションを付けるはず。こうやってオプションの沼に引きずり込まれていくんだろうな。で、オプションはどうしよう?

(”パンチラ500円”かな、、)

いや、ちょっと待てよ?オプションで付けたら確実にパンチラを見れる事になる。言えば見せてくれるわけだし。それって、興奮するか?

俺「ねえ、パンツ見せて」
嬢「いいよ」 ← 不正解

俺「ねえ、パンツ見せて」
嬢「もう、バカァッ!」  ← 正解

絶対こうでしょ。

“必然のパンチラに興奮はない。偶然だから興奮するんだ”(名言

(よし、女の子の露出は無しでいこう)

たまたま見えたらラッキーくらいの心構えで。脱衣系のオプションをつけたら中途半端でしかも割高なヘルスになってしまうし、これまで経験の無い着衣の女の子に一方的に責められるというシチュエーションを試してみるか。

(じゃ、オプションは”客の乳首責め”だな、、)

直感的にこれだけは外せない。

■入室

受付けが終わって5分ほどで部屋に通された。日雇労働者用の宿泊施設みたいな部屋。DIYでパパが作ったような木枠のベッドに、パステルカラーのペンキで塗られたチープな色の壁、そしてアダルトビデオを視聴する16インチの小型テレビとDVDデッキ。

(こういう部屋、嫌いじゃないな、、)

人目を盗んで性欲を発散しに来たオッサンなんて、雑に扱ってもらって構わない。手厚くもてなさなくていい。ゴージャスな店構えと丁寧な接客のソープより、コッチの方が落ち着く。

壁と天井に20cmくらいの隙間があり、隣の部屋から常連客っぽい会話が聞こえてくる。スナックのママがウザい絡み方をしてくる酔っぱらい客をあしらう感じのやり取り。新たな性癖を発見したツワモノなのか、ただ金がなくて安くヌいてもらってるのか、どっちなんだろう?

さっとシャワーを浴びた後、腰にタオルを巻いてベッドに座り、小さなテレビで古いDVDのアダルトビデオを見ながら女の子を待つ。こんなに興奮しないAVは初めてかも。早送りしながら念のためヌキどころを探していると、ノックの音がした。

(コンコン・・)
「あ、はい」

女の子が入ってきた。フリーでハズレ覚悟のつもりだったけど、意外とかわいい。が、どうみても20代半ばで、セーラー服は無理がある。

俺「あっ、よろしく、、オナクラ初めてで何も分かんないけど、、」
嬢「フフっ、せなです」

コミュ障の自分が唯一用意していたセリフに女の子は軽く笑って自己紹介し、準備を始める。まずリモコンを取り、テレビを消す。どうやらAVを観ながら抜くのではないらしい。

TVの音が消え、急に二人きりの静かな空間になったことに耐えられず、いつも通り薄っぺらい会話で場を繋ごうとするけど何も思い浮かばない。

(なんでこのタイミングで隣の部屋も静かになるんだよ、、)

なんでもいい、とにかく雑音が欲しい。キーンと耳鳴りがするような静まり返った空間に、腰にタオルを巻いたオッサンと、制服を着た女の子。

どうしていいか要領がわからず、ただベッドに横たわっていると、せなちゃんがまるで赤ちゃんのおむつを取り替えるような仕草で腰のタオルを剥ぎ取り、俺の貧疎なムスコが露わになった。まだしっかり寝ている。

(え、このままにしてればいいの、、?)

せなちゃんは無言のまま淡々と作業を続けていく、、