【りりか編vol.2】1000年に1人のチアガールとディズニーランドへ

■大当たり過ぎてナゾの後悔
「誰でもいい、40分12000円のフリーでセックスするだけ」
フーゾク史上最高にムカつくあすなちゃんの記憶を安くサクッと上書きするだけが今日のミッション。それなのにまさか超大当たりを引くとは。
ヤケになって立ち飲み居酒屋で安酒を注文したら、なぜかロマネコンティが出てきてしまったもったいなさ。ツイてるんだかツイてないんだか。フーゾクの神様は意地がワルい。
受付けの学生アルバイトの「今なら60分17000円で遊べますよ」という善意の勧めを断ってしまった事が悔やまれる。こんな子なら60分どころか2時間でもよかったのに。
ちょっとひんやりした手でギュッと恋人繋ぎをしたまま部屋まで誘導してくれる間も、天使のようなニコニコの笑顔で話しかけてくれる。この子と一緒に通路を歩いている時間さえ幸せだわ。
(なんていい子なんだ、、)
風俗嬢と客なんてしょせんはその場限りの金とカラダの関係。楽しく遊ぶために相手を不快にさせないよう気は使うけど、だからといってよく思われたいという気持ちもない。
どうせ店を出たら二度と会う事は無いわけだし、本指名だってしょせんはその場限りの関係の繰り返し。もし好感を持ってもらえたとしてそれが何かの役に立つわけでもない。
なのにりりかちゃんに対しては、たった40分の客で申し訳ないという気持ちと、指名さえしてあげなかった後ろめたさを感じる。
たかが40分のフリー客相手にりりかちゃんはなんでこんな楽しそうに明るく話しかけてくれるんだろう?ホントに不思議。
嬢「おっきいね!スポーツ何かやってたの?」
俺「・・あ、うん、バ、バスケやってた、、」
ただでさえコミュ障なのに、りりかちゃんがあまりにカワイすぎてキョドってしまい、いつも以上に言葉がぎこちない。
俺「り、りりかちゃんは、何か、、?」
嬢「あたしはチアやってたの!」
マジか。こんなアイドル級にカワイイ子がチアガール?いやいや、かわいいからこそか。
甲子園のスタンドにいればカメラマンにピンで抜かれる1000年に1人のチアガール。
こんなりりかちゃんが応援してくれるなら高校球児は誰もが昼と夜の二刀流を妄想するはず。むしろ夜のバット磨きに熱が入るに違いないし、意外とそういった不純な動機も選手たちのパフォーマンスにいい影響を与えるに違いない。それにしてもチアガールを翻訳すれば”元気づける女の子”か。あまりにストレートな表現。
嬢「だからカラダ柔らかいんだよね」
俺「・・・そ、そうなんだ」(ゴクリ
別に何かを匂わせる言い方でもないのに、俺のドスケベAI機能が「アタシノ、カラダ、ヤワラカイ♥」と翻訳して妄想とバットが膨らむ。
■太陽が苦手なひまわり
まるでひまわりのように華のあるりりかちゃんは、かぼそい体とはミスマッチのよく通る声。きっとチアの発声練習もたくさんしたんだろう。
嬢「あたし、人見知りなんだよね」
俺「・・え?」
嬢「おにいさん、話やすくてよかった♥」
太陽が苦手なひまわりなんて科学的大発見。それどころか湿気と日陰を好む害虫のような俺が話やすいだと?
とはいえ、人見知り界の突然変異のりりかちゃんは相手によっては発症しない、せいぜい花粉症レベルの人見知り。いつ人生終了のベルが鳴ってもおかしくないステージ4の末期患者の俺とは病棟が違う。
ま、症状の程度はともかく、人見知りのおかげでりりかちゃんは人前に出る仕事を選ばずコッソリこの仕事をやってるのかもしれないし、そうでなければアイドルの道を選んでいても全然おかしくない。
社会の陰に潜む害虫のような自分が日陰を好む突然変異のひまわりと、たまたま生息域が重なってしまったフーゾクならではの奇跡のミスマッチ。
■スプラッシュマウンテン
どこで売っているのか見当もつかないアイドル風の煌びやかな衣装のままイチャイチャしていると、バスタブのお湯があふれだす音が聞こえてきた。
嬢「お風呂入る?」
まるでもう少しゆっくりする選択肢があるかのような、穏やかな言い方に感じる優しさ。マジで2時間、せめて1時間にしとけばよかった。延長するか?
(あ、ダメだわ、、)
ビビりの自分は何かあった時のため、いつも多めに現金を持ってくるのに今日に限って手持ちが無い。ケツが決まったわずかな時間でアトラクションを楽しまないといけない、アフター6のチケットで入園したディズニーランドか。
(ルートは、、)
美女と野獣のアトラクションはもう充分。このあとはスプラッシュマウンテンで一緒にずぶ濡れになって、それからどうする?りりかちゃんのビッグサンダーマウンテンを楽しんで、俺のイッツアスモールワールドでフィニッシュ?
白雪姫のような衣装を剥ぎ取ると、りりかちゃんの白く透き通る肌とフリルのついたカワイイ下着が登場。自分のキャラをよくわかってらっしゃる。アイドルの下着はこうあるべき。
(それにしても、、)
衣装のせいで大きく見えていた胸のふくらみは、どうやらイッツアスモールワールドだったらしい。初めて共通点を見つけた気分。
そんなささいな弱点が気にならないほど、線の細さと小顔のおかげでメチャクチャスタイルがよく見える。157cmしかないのにまるで人形のようなシルエット。
浴室に入ると育ちのよさそうなりりかちゃんは膝まづき、茶道のように品のある滑らかな手つきでお茶ではなくアソコをたててくれる。まさに一期一会のおもてなし。
(結構なお手前で、、)
茶室だろうが浴室だろうが、おもてなしの精神は一緒。これはもはや茶道ならぬ浴道と言ってもいいかもしれない。
山というより丘のようなおっぱいを円を描くようにこすりつけられると、なんだかいつもより密着してる気がする、ちっぱいならではのよさ。
(そういや今日は40分だし、バスタブはひとりだな、、)
そんな事を思いながら、洗体のあとバスタブでうがいをしていると、りりかちゃんがスプラッシュマウンテンに搭乗してきた。
(・・え?しかも後ろ向き?)
りりかちゃん、さっき人見知りって言ってたよね?初対面のおっさんに自ら背中を預けるのって、警戒してたらなかなかできる事じゃない。
嬢「ごめん、ちょっとヌルかった?」
俺「ううん、全然大丈夫!」
そんなことより俺のムスコに乗りかかるりりかちゃんのお尻の感触がたまらない。シートベルトになりきって後ろからハグし、出発進行。
やばい、ベッドにたどり着く前に俺のイッツアスモールワールドがスプラッシュしちゃいそう。