【れいな編vol.1】フリーってとんでもなく堕落した世界だな

■フリーについて真面目に考えてみる

フーゾク店で働いた経験はないけれど、もし自分が店員だったとして妄想してみる。

問題:「フリーの客にどの子をあてるか?」

ちょっと前まで、人気のある子をフリー客にあてるわけがないと思っていたけど、10人近く空きがある状況であんりちゃんみたいなスタイルのいい美人、おまけにテクニックもある子と遊ぶことができた。ハズレ覚悟だったので超ラッキー。まさかあのあんりちゃんが一番ハズレなわけはないし。

そうか、あれだけ暇なら逆に人気の女の子を優先して稼がせてあげるという考え方もあるわけか。人気の子が「この店じゃ稼げないので辞めます」ってなったら大損失だもんな。

定着してもらうために新人の子を優先する事もあるだろうし、全体の稼働のバランスを考えてやらなきゃいけない。もしかしたらキャバクラで働いてた時そうだったように、客をみて相性を考えてる可能性だってある。どうやら”フリー客には人気の無い子を当てちまえ”という単純な話ではなさそうな気がしてきた。

リピーターにならなさそうな”一見客”ならハズレの子を当てるかもしれないし、”太客”になりそうならむしろイイ子を当てる戦略もあるかもしれないし、いろいろ難しい。

ま、とりあえずフリーがハズレばかりではないのは客の立場ではありがたい。

■人間のボーダーライン

というわけでまたフリーで挑戦してみようと思うのだけど、よくよく考えるとただでさえ不思議なフーゾクの世界でもフリーって特におかしな世界だな、、

女の子はもちろん、客も誰が出てくるのか分からない。数秒前まで何も知らなかった相手とエッチする、リアルに”出会って5秒で合体”の世界。

もちろん初指名ならフリーと一緒で知らない相手なのにはかわりはないけれど、少なくとも「この子と遊びたい」という意思を客は示してるわけでまだマシ。

それに比べてフリー客は、誰でもいいからエッチしたいとか堕落し過ぎでしょ。メシやカラオケに行くにも必ず相手は選ぶのに。

女の子の立場でも「アナタと遊びたくて来ました」なのか「誰でもいいと言ったらアナタが出てきました」では気持ちも違うだろうな。

そう考えると、フーゾクで指名するかフリーで遊ぶかが人間のボーダーラインの気がしてきた。好みの子を選ぶ人間味を持った指名客と、性欲しかないフリー客。

もはや動物じゃん。いや、動物でも相手は選ぶか。ただのクズ。

■それでもフリーで行ってみる

プロフィール写真が全員笑顔のヘルス店。写真を撮る時に笑顔を求められてるんだろうけど、それでもやっぱり印象がいいのは間違いない。

(ま、ここならひどいハズレはないでしょ、、)

今回もまた予約せずに店へ向かう。

店「いらっしゃいませ~」
俺「あ、フリーで空いてます?」
店「大丈夫ですよ」

さ、どのパターンだろ?なんだかバタバタ忙しそうだし、予約電話も掛かってくるし、前回みたいな大当たりって事はなさそうな気がしてきた、、

店「番号札3番のお客様、おまたせしました~」
俺「あ、はい、、」

カーテンをめくると女の子が待っていた。

嬢「はじめまして~ れいなです」
俺「はじめまして。よろしく」

セーラー服を着た、ちょっとムチッとしたギャル。キツメのメイクだけど、まあまあカワイイ。つまようじなら確実に乗りそうなつけまつげ、濃いめのアイライン、そして青のカラコン。唇はラメで光ってる。

嬢「今日は仕事お休み?」
俺「あ、そうそう、休み平日なんだよね」
嬢「アタシも休み平日の方が好き~」

れいなちゃんは部屋に入る前からどんどん話しかけてくるし、とにかく笑顔で明るいギャル系のリア充感。

嬢「お休みの日は何してるの?」
俺「野球とかサッカー観たり、あとは酒呑んでるかな」
嬢「お酒好きなんだっ!アタシも呑むの好き~笑」

たまに誰にでもなつく犬がいるけどそれに近い。営業スマイルや営業トークではなく、ナチュラルに初対面のオッサンの懐に飛び込んでくる。

指名されたお返しとして親しく振舞うのはわかるけど、「誰でもいいといったらアナタが出てきました」という状態なのに、そんなこと気に留める様子もない。

れいなちゃんは紙コップにお茶をついでくれたあと、ペットボトルのふたを閉めるのに手間取っている。不器用過ぎでしょ、、

嬢「アタシどんくさいから免許も取るなって言われてんだよね~笑」

この子は免許が無くても楽しく生きていけそう。

女の子は客を選べないので、常に誰でもウェルカムのフリー状態。オレとれいなちゃんは今日、互いに相手を選ばない全く同じフリーのはずなのに何か違う。

俺「誰でもいい」↓
嬢「誰でもいい」↑

誰ともうまくいかないオレと、誰ともうまくやれるれいなちゃん。文字に起こすと一緒だけど、こめられてる感情が真逆な気がする。