【さら編vol.1】やっぱ地雷もいるよね、、

■プランBを用意してなかった
素人の自分には風俗業界の”普通”がわからないので、とりあえずいろんな店でいろんな女の子に会ってみたい。なので今回はちょっとだけ高めのお店に行ってみることにした。とはいっても、もちろんいわゆる”高級店”ではなく周辺の店に比べて少し高い程度。それでも貧乏人にはイタいが、料金の差が女の子の質やサービスにどのくらい影響するのか興味がある。
プロフィールの写真でこの店で一番カワイイ雰囲気の”さら”ちゃんを予約した。相変わらず前日は寝付けないし、出されるお茶が震えてうまく飲めないのも変わってないけど、緊張することはわかっているので対処の仕方を自分なりに考えた。
まず、震える手で数えなくていいように料金ピッタリ財布の中に分けて入れておくこと。それから部屋に入る時に脱ぎやすいようヒモ靴は履かないこと。そして女の子と何を話すかネタをあらかじめ用意すること。などなど。今回は準備万端。その成果が試される。
入店から待合室までは完璧で、ここまでは自分の緊張とうまくつきあっている。それでもまだ、女の子と対面する直前の緊張感の対処法はわからない。5分で呼ばれるのか、、20分で呼ばれるのか、、呼ばれるまでただ待てばいいだけなのに、落ち着かない。そしていよいよこの店で一番カワイイ(はずの)さらちゃんと対面。
「あっ、こんにちは、、よろしく。」
「・・・」
ルックスは期待ほどではないけどまあ悪くない。が、全く笑顔が無い。無言で部屋まで誘導される。きまずい、、一応それでも手は繋ぐんだな。店の指示だろうか?さらちゃんはずっと、何か嫌な事があったかのような表情を浮かべている。
誰にでも不機嫌な時はあるし、それは仕方がない。どうしたんだろうとは思うものの、その理由を聞きだしてケアするようなスキルは自分にはないので、普段の生活でもこういう場面ではいつも放っておくことにしている。それにしてもさらちゃんにはちょっと違和感がある。よくよく見れば、怒っているとか不機嫌なのではなく、ただ単に無感情のようだ。
(・・・もしかしてコレ、、ただ無表情なの?)
イヤな事があったわけじゃなく普段からこの感じ、これが素の顔ってこと?コミュ障の自分にとって得意な相手というのはもちろんいないわけだけど、特に苦手なのはこのタイプ。反応がうすーい人。どう接していいのか全く分からなくなってしまう。さらちゃんは俺が事前に用意していた会話のボールを全く打ち返してこない。もちろん俺が放つボールなんてフォアボールとかダブルフォルトだらけではあるけど。
(こういう質問をして、こう返ってきたら、またこう聞こう)
準備してきた会話のプランが一瞬で崩壊。答えが返ってこないケースを想定していなかった。
プランBはない。ただただ気まずい時間が流れていく。