【ゆめ編vol.1】ソープで働く暗い事情

■ポイントカード
今回は前々から気になってた子を指名した。ゆめちゃんはプロフィールの写真全部がメチャクチャ笑顔。こんな子はなかなかいない。コミュ障最大の懸念、気まずい空気になる可能性が低い。自分の休みとゆめちゃんの出勤がなかなか重ならず、ようやく予約することができた。
この店はいつも入り口前に店員が2人くらい立ってしゃべってるので入りづらい。店員との絡みは最小限にしたいのに、過剰なお出迎えでフロントへ。支払いを済ませるとポイントカードの説明。来店5回で1000円、10回で2000円の割引があるらしい。有効期限は6カ月。半年の間にそんなにくることはないだろうと思いながらも、ビビりの自分は要らないとは言えない。とりあえず受け取る。
待合室でポイントカードをじっくり見ると、電話番号どころか店の名前すらない。英語で”なんとかカード”と書かれているだけ。ポイントカードということ以外はなんだかさっぱり分からない。
なるほど、客への配慮か。このポイントカードが嫁や彼女に見られた時のために、言い訳の余地を残してあげているんだな。でもそれが逆に怪しい。「ぁあ、これは、その、、職場近くの定食屋のポイントカードだよ?」ヤマダ電機のポイントカードならこんなことにはならない。
ま、こんな不審なカードが見つかった時点で99%クロ。残りの1%はどの店か特定するだけ。幸いにも(?)自分にはバレたらまずい相手がいないし、会社や友人にバレても恥ずかしいだけで別に悪い事はしていない。絶対バレたくはないけど、、
■おばあちゃんのために
階段の踊り場で笑顔のお出迎え。
八重歯でちっちゃい丸顔のゆめちゃんはもともとギャルだったらしく、その痕跡はある。プロフィール通り素の表情がニッコニコの笑顔。こっちまで思わずニヤつく。何もなくてもこんな笑顔でいられるのか。週3,4日早番でココで働いていて、夕方からは多忙な母に代って料理、洗濯、掃除、ほとんどゆめちゃんがやってるとの事。どうして?と聞いてみた。
数年前に祖母が事故に遭い、身体が不自由になってしまったので介護をしているらしい。前の仕事の収入では介護と自分の生活を両立できないので退職してソープで働いているとか。
(メチャクチャいい子じゃん、、)
え・・?何このストーリー?体が不自由なおばあちゃんを支えるために仕事を辞めて風俗で働いてるってこと?ドラマ化決定。もうこの世にいないけど、祖母に対してはお年玉とおやつをくれて怒られた時にかばってくれる存在くらいにしか思ってなかった。ゴメンねおばあちゃん、、自分は人を大事にしないから人から大事にされないんだな。ゆめちゃんの話からは、人を大事にし、人から大事にされている雰囲気がヒシヒシと伝わる。
それにしてもゆめちゃんの親は、娘が風俗で働いてる事に絶対気づいているよな。週に数回、昼間だけ働いて夕方以降は介護と家事手伝いをこなしつつ、以前より余裕のある生活。アルバイトなら月10万円稼げればいい方。どう考えたってアヤシイ。どういう気持ちなんだろう?子供のいない自分には想像もつかない。