【ゆう編vol.1】セックスできるなら早朝でもかまわない

■朝の営み

マット願望を捨てればたった12000円で女の子とセックスできるという衝撃で、また行ってみる事にした。朝5時、早起きして準備。

世間のサラリーマンが出勤するために眠い目をこすって歯を磨いてる時間帯。性生活を”夜の営み”なんて表現することがあるけど、自分にとってはもはや”朝の営み”。なんか健全に聞こえる笑

この店、というかこのイベントは事前予約はできないので、本当なら遊びたい子を予約してから行きたいところだけど、店に着いてから指名する事になる。先着順でいい子が取られるシステム。

いい子指名したいなら”早く来いよ!”ってことかな。店の立場でイベントの設計としては正しい気がする。ただ、前回行った時はまさかの待ちゼロ。こんな衝撃的な料金なのに客がいないとは。ま、だからこそオレみたいな飢えた安い客でもいいから来てほしいのかもしれないけど。まんまと店の戦略にハマってしまった。

 

■”前の客”と”後の客”に対する感情

おっ、今日は先客が一人、店のドアの前でスマホをイジっている。1番目ならうまくものかげに隠れる事ができるけど、後ろに並ぶと少しだけ道路にはみ出す。自分だけズルい、、オレももう少し隠れて並びたいのに。夜明け前とはいえ、ソコソコ人通りはある。これがちょっと恥ずかしい。コツ、コツ、コツと、誰かの靴音が近づくたび少しだけ緊張する。

(あ、アイツこんな朝早くからソープに並んでんだ)

と思われてるんだろうな。(事実

出勤途中のサラリーマンに”うわっ、こんな朝っぱらからソープに並ぶってコイツの人生なんなの?”と白い目で見られてるのか、それとも”今日イベントかぁ!俺も休みならソコに並ぶのに”と思われてるのか、どっちなんだろ。ま、多分そのどちらでもなく興味ないだけ。他人の性生活に興味なんかない。ビビりは勝手に人の感情を予想する悪い癖がある。

日の出が遅いのがまだ救いで、あまりはっきりひとの顔は見えない。それでもできるだけ顔の露出を少なくしようと、マフラーを口元に当てて懸命に寒いフリをする。クソッ、前の客さえいなければこんな思いしなくて済むのに、、

おっ、後ろに客が並んだ。自分が最後尾でないナゾの安心感が生まれる。”みんなのうちの一人ですけど何か?”とちょっとだけ強気になれる、風俗民主主義。

前に並ぶ客は自分を道路側に追いやる指名争いの敵だけど、後ろに並ぶ客は自分の存在感を薄めてくれる強い味方。ビビりにはありがたい。

後ろの客はソープに並ぶ恥ずかしさや後ろめたさは微塵もないらしい。堂々と道路に体を向け、壁にもたれかかって腕を組んでいる。なんて頼もしい人なんだ、、

並ぶ時間がほんの数分違っただけなのに、前後の客に対する感情が真逆。前に並ぶ客が何か悪い事をしたわけでもないし、後ろに並ぶ客が何かいい事をしてくれたわけでもない。それなのにこの感情の落差。

ところで、誰も並んでなかった前回と何が違うんだろう?今日はいい子が多いとか?スマホで出勤予定を再確認。特に変わった様子はない。オープンからいるのは6人で、うち興味あるのは3人。この3人なら誰でもいいけど、、

前の客に取られるかもしれないし、予約が入ってるかもしれない。休みってこともあり得る。そう考えると余裕はない。できればこのスタイルよさそうな25歳の子を指名したい。