【はな編vol.2】まさか自分が人身売買されるとは

■女の子はどこで待機してるんだろ?
爆乳のはなちゃんに会いに来た。ビビりなだけに疑り深い性格なので、特に初めてきた店ではどうでもいいことが気になってしまう。
この建物は外観上3階建てで、幅も奥行きもそれ程ない小さなビル。1階には受付け、待合室、トイレ、倉庫くらいしかなさそうだから、プレイする部屋は2階と3階だけ。全部でせいぜい10部屋もあればいい方。
なのにこの時間帯の出勤人数は14人。どうみてもキャパオーバー。女の子用の待機室でもあるのかな?あったとしても激セマ確定。
客はせいぜい20分も待てば待合室から解放されるからマシだけど、客が来るかどうかわからない女の子の待機室って、どんな雰囲気なんだろう。
同じ店で働くキャストとして客の悪口とか苦労とか、職場の同僚みたいな会話をするのかな?それとも客の待合室みたいに自分の気を消せるサイヤ人の集まりなんだろうか。客がつかず、退勤までずっとそこで過ごす子もいるのかな。
■アッチへ行けってどういうこと?
待合室でそんなどうでもいいことを考えてたら、店員が呼びに来た。
「すみません、今ちょっといっぱいで、アッチ行ってもらえます?」
(は?どういうこと?)
受付けは済んでるし、もちろん金も払ってる。なのにアッチ行けって。そもそも満室なら先に言えよ、、
で、アッチってどこなの?別館?そんなのあるんだ。なんだかよくわからないまま誘導されたのは道路を挟んだ向かい側の店。
(え?別の店、、?)
店員同士がなにやらやり取りしている。反応をみると、よくある状況らしい。伝票だかチケットのようなものを取り交わし、交渉成立。オレの意思とは無関係に、どうやらコッチの店に移籍する事になったらしい。ある意味人身売買。姉妹店なのか、町内会的な助け合いなのか。吉野家に行ったらなぜかサイゼリヤに誘導された感じ。オレの移籍金が気になる。
(ところで、指名した女の子もコッチにくるってこと、、?)
ま、さすがにそうなんだろうけど、不思議なシステム。風俗初体験でコレだったら怖くて逃げだすレベル。もしなにか問題がおこっても、互いに”ウチの客じゃない”と言い張れるし。
店をたらいまわしにし、足取りを掴めなくして拉致監禁。黒服に連れられて地下帝国の建設に従事。ギャンブルには弱いので這い上がれず、そこで一生を終える。
風俗に対してこんなねじ曲がったアンダーグラウンドのイメージを抱いていた以前の自分に、この状況は耐えられなかったはず。
幸い、この店は熟女のさおりちゃんの時に一度来た事があるのでちょっと安心。古い喫茶店のような待合室が妙に落ち着く。二回目でもはや常連の気分。あの60歳のオッサンはこんな感覚なのかな。