【ミキ編vol.2】学園系柔道部キャプテンのヘルス嬢(24)

■学園系ヘルス、、嬢?
(おおっ、マジかよ、、)
初見でこれほど”しくじった!”と思ったのは初めてかもしれない。
イヤ、絶対に初めてだわ。
(対面してからはキャンセルできないんだっけ、、?)
失礼ながら”女の子”というより”性別は女”という印象しかない。
まるで柔道部員のように体格が立派で、声は”ドラえもん”
ルックスについては暴言を吐くつもりはないので、”全然好みではない!”とだけ声を大にして言っておく。
もしかしたら世界のどこかには好みだという人がいるかもしれなしな(遠い目
わずか1秒で数万円をドブに捨ててしまった事を後悔し、なぜもっと慎重にならなかったのかと数日前の自分を猛烈に責めたてる。
いま目の前にいるドラえもん本人にタイムマシーンを借りたい、、
小柄でキュッと締まった子とのイチャイチャした時間を想像してきたのに、天国から地獄へ突き落とされた気分。
そこから、苦痛の1時間がスタートする。
嬢「はじめまして!ミキです!」(ドラえもん
俺「・・あ、よろしく、、」
この子の名前なんて何の興味もないけど、一応覚えておこう。
地雷に関する情報は戦場で生き延びるためにも必要だし。
(ん・・ミキ? あっ、今日のシフトでこの子以外なら誰でもいいと思った、24歳の太めの子?)
おおぅ、、6分の1でハズレを引いてしまったのか、、
■フリーに対する誤解
よく、失敗に対するコストを”授業料”と表現することがあるけど、ココは学園系ヘルス。
授業を受ける生徒はミキちゃんの方で、俺はむしろセンセイ側。センセイが授業料払うの?
なんか二重に損したような不思議な気分、、
風俗業界についてな~んの知識もない自分は、フリーというシステムを理解していなかった。
女の子が6人いれば、まるでサイコロを振るようにランダムに選ばれるものだと単純に考えていた。
当然、そんなわけはない。
もちろん予約が入っている子もいるし、そうでなくても人気がある子ならワザワザフリーの客につける意味はない。人気がある子は他の客から指名料を取れる可能性が高いんだし。
だから、フリーで当てられる子は予約も入っておらず、人気もない子に決まってる。
(自分が店員の立場なら絶対そうするハズ、、)
なぜ人気の子をワザワザ指名料ナシの客にプレゼントする必要があるのか、そんなウマい話があるわけがない。
ちょっと考えればわかりそうなことなのに、これまで全く気付かなかった。油断していた、、
マッサージヘルス店で初めてフリーで挑戦した時に当たりを引いたのは、たまたま全員同じレベルでイイ子が揃っていて、ハズレがいなかっただけだろうな。
今回のように明らかなハズレがいる時には、例えそれが100人中1人だったとしても、絶対に他の誰かを指名するべき。世の中確率通りにうまくはいかない。
そうか、指名料は”遊びたい子”への追加料金という意味だけでなく、”遊びたくない子”を避ける保険料の意味もあるんだな。
誰もが”自分は事故に合わないハズ”と思い込んでる。でも保険はやっぱ必要。
ちょっとうがった見方をすれば、店側は”フリー客対策”として、あえてハズレの子をシフトに入れてることだって考えられる。そうすれば客はハズレを避けるために、他の誰かを指名してしまう。
“この学園系コンセプトの店になぜこんな子が”と思ったものの、もしかしたらこの子はこの子にしかできない方法で、店の売り上げに貢献しているのかもしれない。
あっ、こんなことを考えているうちに、スモールライトを浴びたオレのムスコが小さくなってきた、、