【ゆみ編vol.2】職場の同僚にこんなトコで遭うなんて

■離れた街へコソコソ、、
プロフィールに書いてあった”現役女子大生”というブランドに魅かれて、20歳のヘルス嬢を予約。いろいろ考えたあげく、どれもしっくりこなかったのでコスチュームは女の子のおまかせにした。
(リクルートスーツさえあればな、、)
以前、めるちゃんの店へ行く途中にバッタリと知り合いに遭遇してしまってからは、生活圏内の風俗街は避けるようにしていて、今は少し離れたところにわざわざ電車で通っている。
そもそも独身で彼女もいないのに何を言い訳する必要があるのか自分でもよくわからないけど、なんとなくフーゾクに通ってることを知られたくはない。
「昨日ヘルス行ってさぁ~」と、堂々と言える人間になりたい。
ま、その願望はたぶん来世までかなわないので、今日もコソコソ店に向かう。
■こんなとこ住んでんじゃねえ!
改札を出て店に着くまでが一番ドキドキする。自分の生活圏から離れてるとはいえ、知り合いの生活圏の可能性はある。職場の誰がどのあたりに住んでるのか、ある程度は把握してるけど全員知ってるわけじゃない。
できるだけ目立たないよう人陰に隠れながらうつむいて歩き、駅前のロータリーから脇道に入るまでは息をひそめる。
(ココまで来れば大丈夫、、)
そう思った瞬間。
「あれ?何してんの?」
(あっ、、)
仕事上の会話をするだけの、親しくはないけど仲が悪いわけでもない同僚。ただ、口が軽くてなんでもベラベラしゃべるヤツなのは知ってる。
(よりによってコイツか、、)
以前、知り合いに遭遇した時は風俗街から少し離れてたので助かった。
けど今日は、この脇道の2ブロック先はすぐ風俗街という誰が見てもアヤシイ場所。こんな所にいたら何をしに来たのか誰でもピンとくる。舞浜駅で降りてディズニーランドに行かないなんてある?
「あっ、うん、、」
こういう状況になった時のために一応、言い訳を用意しておいた。風俗街を抜けた先に評判のいい家系のラーメン屋がある。時間もちょうど昼だし、そこに行く設定。
「あ、あそこの家系行くトコ、、」
苦しい。
「あ~、あの店オレもたまに行くわ~。うまいよね。」
同僚はこの近所に住んでいて駅に向かうところらしく、ニヤニヤしながら話を合わせてくれてる。
「んじゃね。」×2
ふーっ、、なんとか”致命傷”ですんだようだ(絶望
■動揺が収まらない
口が軽いヤツだし、きっと明日には話のネタにされてるんだろうな。そう思うと同僚と別れたあとも心臓がバクバクして、プレイどころじゃない。それにしても何万人も住むこの町で、たまたま同僚に出くわすかねぇ。ついてないにも程があるでしょ。
(一服してから行くか、、)
缶コーヒーを買ってわざわざ離れた公園まで足を運び、ベンチに座る。緊張してうまくタバコに火をつけられなかった初ソープ以来の動揺。
「アイツあんな真面目そうにしてフーゾク通ってんだぜ笑」
こんなこと言われるのかな、、気が重い。
あ、そうだ、、
「ラーメンうまかった?」(ニヤニヤ
このイジワルな質問に備えて、ホントに食べに行った方がいいかな?
それともいっそのこと、コレを機にキャラ変してみようかな、、
「あ~、ラーメンも女の子もうまかったよ」(ソレデ?
この歳でいまさら?そもそも簡単にキャラ変できるくらい器用ならこんな人生送ってないハズ、、