フーゾク嬢の「心の貞操帯」と、カギを探すオッサン【えみ編vol.2】

■ログインパスワード
クビレが自慢で川口春奈に激似のEカップ19歳。せっかくカラダはエロいのに、性格がキツくて近寄りがたくフーゾク嬢なのにまるでヤレる気がしない。
オッサンのチンコは無風の鯉のぼりのようにシナシナ、えみちゃんのアソコは鎧のごとくガチガチの、端午のセックス。
(キツキツなのは中だけにして欲しいわ、、)
アソコの警備は固い。この様子じゃ門前払いで手コキで終了、なんて事もあり得る。
炭火に乗せたハマグリのように、なんとかこの子の扉をパカッと開かせる合言葉を見つけなければ。
(・・やっぱアレしかねぇ、、)
会話の四次元ポケットがいつも空っぽの俺が唯一持っている、使い古しの定番アイテム。
「トニカクホメェーール!!」(ドラえもん風
この子だって絶対、褒められて嫌な気はしないはず。パカッと開くまでは行かなくても、せめて貝の中からお汁があふれるくらいの隙間はこじ開けたい。
さっきはジェネレーションギャップで失敗したけど、もっと試してみるか、、
俺「いい匂いするね!」
嬢「・・・」
俺「肌キレイだね!」
嬢「・・・」
俺「ネイルかわいいね!」
嬢「・・・」
ガードの固い美女が最後にチンコを求めてくる予定調和のAVとは違って現実は厳しい。
返信が来ない相手にLINEを送り続ける痛いヤツのように、合言葉っぽいワードを手当たり次第に投げてみても既読スルーか未読スルーかもわからない。
(ココで折れちゃなんねぇ、、)
会話が苦手な俺に他に武器は無い。
とにかく、ボディービル大会の観客のようにカラダを褒めるガヤを飛ばし続ける戦略。
俺「指長いね!」
嬢「・・・」
俺「めちゃくちゃスタイルもいいよね!」
嬢「・・あたし身長低いし」(ボソッ
ヤバい、やっと言葉が返ってきたと思ったら、どうやら地雷を踏んだっぽい。ログインパスワードを間違えすぎてロックがかかったかもしれん。
俺「そのくらいがちょうどいいじゃん?」
嬢「だって川口春奈も高いじゃん!」
お、初めて二往復のキャッチボールが成立。
(・・ん、、?)
ちょっと待て、、
さっき俺が「似てるね」って言った時「誰それ?」って言ってなかった?
まさか、、知らない振りをしてたの?なんで?
■贅沢なコンプレックス
嬢「・・175cm欲しいんだよね、、」
俺「そんなに?」
実は川口春奈を意識していたえみちゃん。うっかりばらしてしまった気まずさをごまかすように、急に本音をしゃべりだした。
(この子って、もしかしてかわいいんじゃ、、?)
強がってみせてもまだ19歳の女の子、ちょっとしたところでボロが出る。
たぶんえみちゃんは、今までさんざん似ていると言われてきただろうしきっと意識していたはず。それくらい激似。似てると言われてうれしいと言えず、「誰それ?」と言ってしまう素直じゃない、ある意味かわいい性格。
(知らない設定だった事には触れないでやるか、、)
それにしても、高い子には高い子なりの、低い子には低い子なりの魅力を感じてしまう俺には、女の子が身長を気にする理由がよくわからん。ファッション?インスタ映え?
女の子が羨むスラッとしたスタイルで、Dカップと自慢のクビレを持つえみちゃんがまさかの身長コンプレックスだったとは。でも155cmって別に低いわけじゃなく、確か平均くらいなはず。
オンナ同士の競争心か、それとも自分大好き人間か?
どちらにしろ、えみちゃんの視界にオトコは入っていない。男性の平均より高い175cmの女の子がヒールでも履こうものなら普通の男では釣り合わないし、ただモテたいなら今の身長の方が圧倒的に有利なはず。目線の先にはライバルの女か理想の自分しかいない様子。
嬢「ねぇ、人工骨で身長伸ばせるの知ってる?」
俺「何それ?初めて聞いたわ、、」
無駄に身長だけは高い自分には思いもよらぬ発想。これだけ美人でスタイルもいいのに、贅沢なコンプレックス。しかもよくありがちなただの願望じゃなく、その手術に必要な金を溜めるためにこの仕事をやってるのだとか。
自分の欠点も受け入れがちな中年と違い、彼女はまだ10代。理想と現実のギャップを埋めるのに必死なんだろうな。
歪んだ自己顕示欲か、まっすぐな向上心かはわからないけど、とにかく自分を変えたいという強い思いを感じる。なんだか、いい子に思えてきた、、
えみちゃんのうっかりミスのおかげで、ちょっとだけ素の心を見れた気がする。
俺「えみちゃん、女の子にも人気ありそうだね」
嬢「は?全然?」(強気
謙遜ではなく無表情でドライに完全否定。
右を押せば左に、上を押せば下に反応するのは生まれ持った性格か。俺のビビりが治らないのと同じで、きっとこの子の性格も変わらないんだろうな。
でもそうとわかればなんだか好感が持てる、素直じゃないかわいさ。
嬢「時間ないから!」(ホラ、イクヨ!
俺「あ、うん」(ゴメン、、
嬢「そこ、滑るから気をつけて」
俺「あ、うん、ありがと」
浴室に入る時、初めて見せてくれた俺に対する気遣い。ほんのちょっとだけ、雰囲気が変わった気がする。
ひねりのない褒めまくり作戦が功を奏し、心の貞操帯にログイン成功?
■一人二役の北風と太陽
えみちゃんはひざまずいて洗体の準備に取り掛かる。
(邪魔にならないようにバスタブに入っとくか、、)
嬢「ちょっと!時間ないからお風呂はあと!コッチ座って!」
俺「あ、ごめん、、」
気を使ったつもりが裏目に出た、、
ちょっと気を許してくれたかと思ったらすぐに怒られる。やっぱりこの子は難しい。
嬢「ねー、ズケズケくる人って、なんなのって思わない?」
俺「??」
女の子が顔をそむけて風呂桶で泡を立ててる時間って一番本音が出てくるような気がする。
嬢「いきなりなれなれしくしてくる人とかマジ無理」
俺「・・・」
俺のことじゃないよな?むしろズケズケいけるヤツが羨ましいくらいだし。
いや、さっき会ったばかりの女の子といきなりエッチするなんて、これ以上のズケズケはないか。他人の家に土足で入るようなものだもんな。
嬢「あたしね、少しずつ仲良くなりたい人なの」
俺「なんかあったの、、?」
嬢「・・別に、、」
ボリュームたっぷりEカップのおっぱいでマッサージしながら弱音を吐くえみちゃん。たぶんなんかあったんだろう。この性格でこの仕事じゃ人一倍ストレスが溜まるはず。
少しずつ仲良くなりたい性格なのに、顔を見たばかりのオッサンとエッチするなんてどうやってメンタルコントロールしてるんだか。今日にでも辞めておかしくないダークな雰囲気。
嬢「拭き残しない?大丈夫?」
俺「あ、うん、ありがと」
そうかと思えば、また突然の優しさモード発動。北風と太陽の役を一人でこなすえみちゃん。
もしかしたら未成熟な10代の心の中では、それ以上の暴風と猛暑がせめぎ合ってるのかもしれない。