未経験の女の子への「体験入店」とかいう悪魔のささやき【ゆずは編vol.1】

■フーゾク店の”体験入店”から想像する人間模様

もはや日課の、フーゾク店のシフトチェック。

遊ぶ女の子を探すために”観察”してると、毎日のように新人が入ってくる店がある。

いろんな子とエッチしたい願望がある俺にとっては常に新陳代謝してる店はありがたいけれど、裏を返せば毎日のように辞めていってるわけで、女の子目線では長くは続かない店。

そして、そういう店にありがちなのが「体験入店」とかいう謎システム。

体験入店という言葉の響きには、限られた範囲内で責任も問われず雰囲気を味わうニュアンスがあるけどフーゾクの世界はそうではない。正式採用されたら有期契約になって社保と有給休暇があるわけじゃあるまいし。

店「まあまあ、どんな感じか試しにやってみてよ。無理そうだったら辞めてもいいし。」
嬢「・・じゃぁ、とりあえず体験入店でお願いします、、」

悪魔「いっちょあがりぃ!」

コレが罠。

店「○○ちゃん、初めてのお客さんがんばって!」

「体験入店のためアレとソレはできないので安くしときます!」というわけでもない。
「女の子の事情でプレイを中断する場合がある事を予めご了承下さい」というわけでもない。

それってもはやただの”本入店”でしょ。

どうみても女の子の心理的ハードルを下げるためのマジックワード。

この”体験入店”とかいう悪魔のささやきに「お試しなら、、」とうっかり足を踏み入れてしまうと、最初の客でお試しでもなんでもなくコレは実戦なんだと気がつく。

(え、こいつキモいんだけど、、)
(え、このオッサンのアレナメるの、、?)

そう思った時にはもう手遅れ。

体験入店だろうが指名を受けた時間だけは逃げる事は許されない。リアルな相手を目の前にすると考えが甘かったと自分を責めるハメになる。

しかも相手はAV嬢とフーゾク嬢しか知らない男たち。

女性にとって口内射精はのどを潤す飲み物だと勘違いしているので容赦なくぶちまけてくるわ、「○○ちゃんも気持ちよかったでしょ?笑」と聞いてくるわでドン引き。

そして地獄の1時間が過ぎ(おまえキモいんだよ!)という心の声を噛み殺し、ひきつった笑顔で「また(来ないで)ね!」と見送る。

(でも、ここまでやってしまったら、いまさら一緒だよね、、)

キモいオッサンをスッキリさせた対価で手にした2万円。もうキレイな過去には戻れない。ルビコン川を渡ってしまった後悔を胸に秘めつつ、次の客を迎える事になる。そして数日後。

嬢「じゃ、ココに入店します、、」
悪魔「ケケッ、、もうとっくに入店してるゾ笑」

こうしてまたひとり、他人には言えない過去を抱えた女性が生まれていく、、(完)

以上、ここまで全ておっさんの妄想。お付き合い頂きありがとうございました。

ま、現実はこの妄想とは真逆で、やるやらないを体験してから決めるような軽いノリなはずがない。面接とは覚悟を持った女の子が条件面の確認作業をするだけの場。

店「じゃ、最初は体験入店になります」(ニヤッ
嬢「はい、体験入店でお願いします」(ニヤッ

体験入店というワードはむしろ店と女の子の共犯による男を釣るための悪魔のささやきで、そうじゃなきゃわざわざ内側の事情を暴露する理由が見当たらない。

新人全員が”体験入店”表記のホームページを見ると、むしろあくどいと感じてしまう。

■マシーン♂とマシーン♀

客にとっては体験入店も含め、どの子も性的欲求を満たす機械的な存在で、逆にフーゾク嬢にとって客は金銭的欲求を満たす機械的な存在。

機械に性能差はあっても感情なんて基本、存在しない。

嬢「2万円、クレタラ、精子ダシテ、アゲル」
男「精子ダシテ、クレタラ、2万円、アゲル」

言葉にすればたったこれだけの薄っぺらい関係。

女の子は金さえ出してくれたら客なんて誰でもいいわけだし、そもそも選びようがない。

客も精子さえ出しくれたら女の子なんて誰でもいいわけで、本指名だろうが体験入店だろうが目当ての子がいなきゃ他の子と遊ぶだけ。

金を出さなきゃヤレない男と、金のために性を売る女。客とフーゾク嬢のどっちの立場が上か、ネット上で互いにディスりあいマウントを奪い合うのを見た事があるけど、これは引き分けでいいでしょ。互いに相手はただのマシーン。

ただ、そんな金と精子を出すだけのマシーン♂の俺がフーゾク店のシフトを日々チェックしていると、どういうわけかマシーン♀にうすーい感情を持ってしまう時がある。

(あれ?この子、確かあの子じゃ、、?)

ずいぶん前に一度遊んだ時「今月でこの仕事やめて事務職になる」と言ってた子。

確かに宣言通りいなくなってずっと見かけなかったのに、突然復活してどうやら事務職の副業というわけではなさそうなほどの鬼出勤。

(事務の仕事、ダメだったのかな、、)

フーゾクの世界に戻ってきた事が残念なのではなく、進もうとしていた道に進めなかった事にほんのちょっとした切なさがある。

(かわいくて穏やかないい子だったけどな、、)

ドライでサバサバした心の関係と、ウェットでヌルヌルした体の関係、そのふたつが混ざり合って生まれたナゾの感情。

でもそれだけじゃない。

一度も遊んだ事がない子でも、シフトを見ているだけで私生活の背景がちょっと気になる事がある。

毎週土日出勤の本職がありそうな子、平日夕方だけ出勤の学生っぽい子、毎回3時間出勤の強気な子、いつ見ても空いてるメンタルが心配な子。店ではマシーンでもそれぞれ人としての生活があるのは当たり前。

会話した事さえないのに何となく気になってしまう。

予定では1週間フル出勤の体験入店の子が2日目以降姿を消すと、

(やっぱ無理だよな。どんだけイヤな目にあったんだろう、、)

と少しだけ同情する。そんな中。

(ん?!なんだこの子、、?)

【新人!1週間限定入店!】

(え?どういうこと、、?)

体験入店ではなく、たった1週間の期間限定で最終日も明確に決まってる。もちろん店側がそんな募集をするわけがないし、どう考えても女の子の意思。

嬢「1週間だけフーゾクやらせて下さいっ!」

そんなことあんの?理解不能すぎて逆に興味そそるわ。

(この子の私生活、メッチャ気になる、、)

ちょっぴり感情を持ったマシーン♂が、ナゾのマシーン♀にチン入捜査開始。